式の計算
多項式の計算(ステップ解説)
多項式の用語から、同類項の加減、分配法則・FOILによる展開、展開公式、代入、因数分解との関係まで手順と例題で詳しく解説。多項式計算機ですぐ確かめられます。
1.この記事で学ぶ流れ
多項式は、文字の累乗を含む項を足し合わせた式です。用語をそろえたあと、加減・展開・公式・代入、そして因数分解との関係までを順に学びます。
- 項・係数・次数・定数項の意味
- 単項式・多項式・整式の区別
- 同類項の足し引き
- 分配法則と FOIL による展開
- 展開公式(完全平方・平方の差など)
- 代入と整理
- 因数分解との関係(逆操作)
- 例題とチェックリストで定着
2.ステップ1:用語を押さえる
多項式を扱うときは、次の言葉を図や式に書き込めるようにします。
例: 2x³ − 4x + 1 項は 2x³, −4x, 1 / 次数は 3 / 定数項は 1
- 項 … +や−で区切られたひとかたまり(例: 3x², −5x, 7)
- 係数 … 項についている数(3x² の係数は 3)
- 次数 … その項の文字の指数の和(3x² は次数 2、−5x は 1、7 は 0)
- 多項式の次数 … 項のうちいちばん高い次数
- 定数項 … 文字を含まない項
- 降べきの順 … 次数の高い順に並べること(例: x² − 5x + 6)
3.ステップ2:単項式と多項式
項が1つだけなら単項式、2つ以上なら多項式と呼びます(学校では整式としてまとめて扱うことも多いです)。
- 単項式の例: 5, −3x, 2x²y
- 多項式の例: x + 1, x² − 5x + 6
- 一次式: 次数が 1(例: 2x − 3)
- 二次式: 次数が 2(例: x² − 5x + 6)
4.ステップ3:同類項の加減
文字部分が同じ項を同類項といいます。足し引きできるのは同類項どうしだけです。
3x² + 5x² = 8x² 2x − 7x = −5x 注意: 3x² + 5x はそのまま(まとめられない)
- 各項の文字部分(x², x, 定数など)を見る
- 同じものどうしにグループ分けする
- 係数だけ足し引きする
- 降べきの順に並べ直す
5.例題A:加減
(2x² + 3x − 1) + (x² − 5x + 4) を計算します。
(2x² + 3x − 1) + (x² − 5x + 4) = (2+1)x² + (3−5)x + (−1+4) = 3x² − 2x + 3 答え: 3x² − 2x + 3
- かっこを外す(足し算なので符号はそのまま)
- x², x, 定数ごとにまとめる
6.例題B:引き算
(3x² − x + 2) − (x² − 4x + 5) を計算します。
(3x² − x + 2) − (x² − 4x + 5) = 3x² − x + 2 − x² + 4x − 5 = (3−1)x² + (−1+4)x + (2−5) = 2x² + 3x − 3 答え: 2x² + 3x − 3
- 引く式の各項の符号を反転してかっこを外す
- 同類項をまとめる
7.ステップ4:分配法則
かけ算では、かっこを外すときに分配法則を使います。
k(a + b) = ka + kb 例: 3(2x − 5) = 6x − 15
- 外の数(または単項式)を、中の各項に掛ける
- 符号に注意(マイナスの分配)
- 同類項があればまとめる
8.ステップ5:2つの一次式の積(FOIL)
(px + q)(rx + s) の展開は、4通りのかけ算をすべて書いてからまとめます。FOIL(先・外・内・後)が覚え方の一例です。
(px + q)(rx + s) = pr x² + (ps + qr)x + qs F: px·rx O: px·s I: q·rx L: q·s
- 先どうし・外どうし・内どうし・後どうしを掛ける
- 出てきた x の項をまとめる
- 降べきの順に書く
- 因数分解で戻るか、代入で検算する
9.例題C:FOIL
(x − 2)(x − 3) を展開します。
F: x·x = x² O: x·(−3) = −3x I: (−2)·x = −2x L: (−2)·(−3) = 6 まとめ: x² − 5x + 6 答え: x² − 5x + 6
10.ステップ6:覚えておく展開公式
次の公式は展開も因数分解も両方で使います。形を見てすぐ出せるようにします。
(A + B)² = A² + 2AB + B² (A − B)² = A² − 2AB + B² (A + B)(A − B) = A² − B² 三次(発展): (A + B)³ = A³ + 3A²B + 3AB² + B³ A³ ± B³ = (A ± B)(A² ∓ AB + B²)
- 完全平方式 … (A±B)² の形
- 平方の差 … A²−B² の形
- 公式を使ったら、可能なら係数を具体的に展開して検算
11.例題D:展開公式
(x + 3)² と (x + 4)(x − 4) を展開します。
(x+3)² = x² + 2·x·3 + 9 = x² + 6x + 9 (x+4)(x−4) = x² − 16 答え: x²+6x+9, x²−16
12.ステップ7:代入
文字に数を入れて値を求めるのが代入です。計算順は累乗 → かけ算 → 足し引きです。
f(x) = x² − 5x + 6 のとき f(2) = 4 − 10 + 6 = 0
- 式を f(x) のように書いておくとわかりやすい
- x の値をすべての文字に同時に入れる
- 累乗を先に計算する
- かけ算・足し引きの順でまとめる
13.例題E:代入
f(x) = 2x² − 3x + 1 について f(−1) を求めます。
f(−1) = 2(−1)² − 3(−1) + 1 = 2·1 + 3 + 1 = 6 答え: 6
- (−1)² = 1 に注意(符号)
- −3·(−1) = +3
14.ステップ8:因数分解との関係
展開と因数分解は逆の操作です。展開で検算し、因数分解で方程式を解く、という往復が基本です。
展開: (x−2)(x−3) → x² − 5x + 6 因数分解: x² − 5x + 6 → (x−2)(x−3)
- 共通因数でくくる
- 公式(平方の差・完全平方など)に当てはめる
- 二次式はたすきがけ
- 詳しくは学習ページ「因数分解の仕方」へ
15.どの操作を使うか(早見)
問題の指示から手順を選びます。
- 「計算せよ」「簡単にせよ」で和差 → 同類項をまとめる
- 「展開せよ」で積 → 分配/FOIL/公式
- 公式の形が見える → 展開公式を優先
- 「値を求めよ」→ 代入
- 「因数分解せよ」→ 展開の逆(因数分解計算機)
- 終わったら展開や代入で検算
16.よくある間違い
次のミスに特に注意してください。
- 引き算でかっこを外すとき、一部の項だけ符号を変える
- (A+B)² = A² + B² と書いて 2AB を忘れる
- FOIL で外・内のどちらかを落とす
- x² と x を同類項だと思って足す
- 代入で (−)² の符号を間違える
- 展開と因数分解を取り違える
- 降べきの順に並べず答え合わせで混乱する
17.解くときの手順チェックリスト
式の計算では、この順で進めると安定します。
- 次数・項・同類項を確認する
- 加減なら符号に注意してかっこを外す
- 展開なら分配/FOIL/公式のどれかを選ぶ
- 同類項をまとめて降べきの順に書く
- 代入なら累乗を先に計算する
- 可能なら逆操作や別の方法で検算する
- 多項式計算機・因数分解計算機で確認する
18.計算機で確かめる
手順を覚えたら、多項式計算機で展開・加減・代入を試しましょう。因数分解、平方の差、解の公式のツールとあわせると、式の計算から方程式までつながって理解できます。
展開・加減・代入を係数で入力すると、手順つきで結果を確認できます。
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